私のおんころじすと

次に病室に入ってきたのは Oncologist(腫瘍内科医)。 お肌つやつやで頭の薄い 同い年くらいのアジア人男性のドクターでした。 「はじめまして、担当医のDr.Chan(仮名)です。」 そう言って私の手を握った彼の手も しっとりまるで赤ちゃんの肌のよう。 「…

生きろ。(もののけ姫風に)

さて、随分あっさりと 胃がんを告知されてしまった私たち。 昔の日本のドラマでは がんの告知の際には家族は別室に呼ばれて 「先生、余命はどのくらいでしょうか? 母にはどうか知らせないでください!」 と、泣き崩れるのがお決まりでしたが 今考えれば自分…

告知

正午前には 夫が息子と一緒に病室にやって来ました。 息子は嬉しそうにベッドに駆け寄り 先日のSleepoverの話を もう一度聞かせてくれて。 そしてベッド脇のテーブルにのった ジュースパックに気が付き、 「僕、これ飲んでもいい?」 ほとんど減っていないサ…

初体験!アメリカの病院のお食事

その日の夕方に 夫は息子を友人宅まで迎えに行き、 一旦家に帰りました。 その間に私はナースから 翌日の昼には退院 という知らせを聞いたので、 明日息子と一緒に迎えに来てくれればいいから 今日は家でゆっくり寝てくれと 夫に電話をかけたのですが。 息子…

胃潰瘍

普段から眠りの浅い私が ICUのベッドで ぐっすり眠れるはずもなく 夜中に何度も何度も起こされました。 私を起こしたのは 自分の体に繋がっている機器からのアラーム音。 (特に異常がなくても何かの拍子に鳴る) 部屋の外から聞こえる 「コードブルー!コー…

胃カメラの後

次に意識が戻った時には胃カメラは終っていました。 すごく気持ち良く寝ていたのを無理やり起こされた感覚。 どのくらいの時間がかかったのか、ドクターは何と言っていたのか、隣についていてくれた夫に私は何も聞来ませんでした。そのくらい麻酔明けの私は…

胃カメラ

私は車椅子で麻酔の準備をする部屋に運ばれました。 大きな部屋にカーテンで仕切られたベッドが何台も並んでいます。ほとんどのカーテンは開け放たれ、人がいるベッドはまばらでした。 その中のベッドの一つに寝かされ、静脈に点滴用の針を刺されました。 ア…

胃カメラへの道

やっとERのベッドで落ち着いた頃、一人目のドクターがやって来ました。仕事できそう〜なオーラが漂う若いアジア人のドクター。 彼女は私が日本人であることをふまえ、 「Helicobacter Pylori(ヘリコバクター・パイロリという発音に近い)のことは知っている…

ER 3

まず鼻のあなの奥の方に麻酔薬が噴射され、感覚が鈍くなったところで鼻チューブが挿入されました。 先ほどのナースの説明に従って、飲み込むように、入って来るチューブに逆らわないように努める私。 特に吐く時に注意しゆっくり呼吸をして、体全体をリラッ…

ER 2

さて、大量の出血により倒れた私。 しばし目の前が真っ暗になり 続いて数人の人が駆け寄ってくる気配を感じました。 がやがやと声も聞こえてきます。 一時して意識が戻った私は 男性ナースに抱え起こされ、 車椅子に座ろうというところでした。 車椅子で部屋…

ER

続いて電話を折り返してくれた夫に事の顛末を話すと 彼は慌てて職場から戻って来ました。 夫の運転する車に乗り込み 道中で息子を友人に託し 20分くらいでERに到着。 私たち家族の入っている保険がカバーする医療機関は 隣の街まで行かないと緊急医療は受…

胃がん劇場 はじまり

アメリカの学校にも春休みがあります。 2017年4月3日 息子の1週間の春休み初日、朝8時ころ。 私は2人の友人たちと 『今日は何をして子供たちの有り余るエネルギーを発散させるか』 を議題にLineをしていました。 一人のママが 「今日はお天気も良い…

はじめまして

さて最初に自己紹介。 私は2017年4月に 胃がんステージⅡbを宣告されました。 41歳日本人女性。 夫と息子が一人 現在はアメリカに住んでいます。 ある日突然思いもよらぬがん宣告をされました。 しかし早いステージで見つかったがんでしたので 入院手…