私のおんころじすと

次に病室に入ってきたのは

Oncologist(腫瘍内科医)。

 

お肌つやつやで頭の薄い

同い年くらいのアジア人男性のドクターでした。

 

「はじめまして、担当医のDr.Chan(仮名)です。」

 

そう言って私の手を握った彼の手も

しっとりまるで赤ちゃんの肌のよう。

 

「この度は残念なことに胃に悪性腫瘍が見つかりました。

これから色々な検査をして、今後の治療計画を立てましょう。」

 

夫とDr.Chanが話している間、私は考えを巡らせていました。

 

この人が私がこれからお世話になるドクターなのか。

なんだか頼りない感じ、、、

でも顔に似合わず敏腕ドクターなのかも、、、

 

 

しかし言うなればGut feeling(直感、勘)が訴える

私とは合わない、

そんな予感がしました。

でもだからって今すぐ違うドクターに変えてください

とは言えないかな。

ここは様子を見よう。

だんだん好きになるかも知れないし。

 

Dr.Chanは1週間後にまた面談の予約を入れたので、

その時に質問などをまとめてきてくださいとのとこ。

さらにCTスキャンは明日、

明後日には電話で事務局の人とPETスキャンの予定を打ち合わせる

という事が決まりました。

 

ほぼ事務的な内容の会話でした。

Dr.Chanはそれらを淡々と告げて部屋を後にしました。

 

そして私は晴れて退院となったのでした。