胃がん劇場 はじまり

アメリカの学校にも春休みがあります。
 
2017年4月3日
息子の1週間の春休み初日、朝8時ころ。
 
私は2人の友人たちと
『今日は何をして子供たちの有り余るエネルギーを発散させるか』
を議題にLineをしていました。
 
一人のママが
「今日はお天気も良いしビーチに行く?」
 と言えば、
 
別のママが
「ビーチいいアイデア
それかうちのプールでもいいよ」
 
朝の光溢れる部屋で交わされる
そんな平和なやり取りの最中
不意にトイレに行きたくなった私。
 
ちょいと失礼、とトイレへ行きまして
 
そしてたった今自分の生み落とした物体。
それを振り返って覗き込みましたら
さて?一体これは?
なんだかやけに色が黒い。
見たことのない色と
べっとりとした質感。
 
少し不気味に思いながらもそれを流して
手を洗いはじめた途端に
ひどい貧血のようなめまい
そして次には猛烈な吐き気が襲いました。
 
この時点ではまだ朝食を食べていなかったので
昨夜食べた物が悪かったのかな、
もしかしてカニを食べすぎるとこうなるのかな?
と頭をよぎりました。
 
その訳は黒くて粘着性の便が、
何か生臭い臭いがしたからです。
前日は夕食にカニをしこたま食べたから。
 
うーんすごく気持ち悪い・・・と床に座り込む私。
しかしついに我慢できず嘔吐。
 
白い便器に飛び散ったのは
昨夜堪能したカニの身ではなく
ワインレッド色の吐瀉物でした。
 
これは・・・血!?
 
人生初の吐血におののきながらも
とりあえず先ほどの友人たちにLine。
 
「ちょっとーびっくり、
今さ吐血しちゃって・・・」
 
それを聞いた友人たち
「何を呑気にしてるの、すぐに病院に行きな!」
と息子のベビーシッターを買って出てくれました。
子供がベビーじゃなくても
子供を見ていてもらうのは
ベビーシッターと言うのですね。
持つべきものは友達です。
そしてすぐに夫に電話です!
しかしミーティング中で
電話に出られないとのテキストメッセージ。
 
留守電にメッセージを残し、
ついでにワインレッドの便器の写真を
テキストメッセージに送りつけました。
 
その後かかりつけの医療機関に連絡をすると、
私の話を聞いたナースはドクターと話をして
するとすぐに慌てた様子で
「それは内蔵の出血が疑われます。
すぐにERに向かってください!」
と告げました。