ER 2

さて、大量の出血により倒れた私。
 
しばし目の前が真っ暗になり
続いて数人の人が駆け寄ってくる気配を感じました。
 
がやがやと声も聞こえてきます。
 
一時して意識が戻った私は
男性ナースに抱え起こされ、
車椅子に座ろうというところでした。
 
車椅子で部屋に着くと
美人ナースが私を着替えさせてくれ、
色々なモニターに繋ぎ、
点滴の針をさし管を繋ぎ、
私にシーツを掛けてくれ、
さらに夫と話をするという一連の作業をテキパキと行いました。
 
仕事のできる美人は最強。
 
私は着替えたせいか点滴のせいか、
一気に寒くなって
暖かくもなんともないシーツを手繰り寄せて、
どうにか体温を保とうとしていました。
 
そんな感じで朦朧と横になっている私に美人ナースが、
「胃の出血がひどいのでチューブを鼻から入れて血を吸い取ります」
と言いました。
 
その時点でナースが3人
訓練中らしき救急隊員の人が1人
そして私の夫と、狭い部屋に5人がぎゅうぎゅうづめです。
 
 
別のナースが手順や注意事項を説明してくれました。
 
一番のポイントは、
「苦しくてもなるべく咳き込んだりしないように、
チューブを飲み込むという感覚でお願いします」とのこと。
 
「では始めます」
 
そこで夫以外の4人がサッと透明サンバイザーを装着!
透明なプラスチックで顔の前面が覆われた状態です。
 
「えっ何ですかそれ?」と聞く夫に
 
「血が飛び散ると悪いから」とナースが返答。
 
 
「じゃあ僕はしなくてもいいんですかーーー?」
と言う夫を尻目にさっさと処置は始まったのでした。