胃カメラの後
次に意識が戻った時には胃カメラは終っていました。
すごく気持ち良く寝ていたのを無理やり起こされた感覚。
どのくらいの時間がかかったのか、ドクターは何と言っていたのか、隣についていてくれた夫に私は何も聞来ませんでした。そのくらい麻酔明けの私はぼんやりうとうとしていたのでしょう。
そしてこの日はそのまま入院となりました。
部屋がそこしか空いていなかったのか否、ICU(Intensive Care Unit)に入れられたのはもう暗くなった頃でした。
それはかなり広々とした病室で、ベッドの真正面の大きな窓からは暗い外がうかがえるけれど、街に面していないようで何の灯も見えません。
ストレッチャーで運ばれ、室内のベッドに移乗しました。
この時ストレッチャーのシーツの下には、空気で膨らむマットが敷いてあることに気がつきました。このマットを膨らませて、私の体が少し持ち上がったところで病室のベッドに移すのです。なるほどこれなら移乗のためにかける労力が少なくていいですね。
そこからは感じのいいおばちゃんのナースがお世話をしてくれました。
まだ足元がおぼつかない私はおトイレもベッドの上で、です。Bed Panという器具をお尻の下に差し入れて、寝たまま用を足します。具合が悪すぎてもう恥ずかしいも何もない状態。
朝から絶飲食の私にナースが
「お水は飲ませてあげられないけど、氷を少し口に含むくらいならいいかしらね。後で持ってくるわね〜」
と声をかけて去って行きました。
この日は夫も病室に泊まることになり、息子を見てくれている友達にお泊まりもできるかと尋ねたところ、ちょうど春休みということもあり快く引き受けてくれました。
かくして、息子(この時5歳)は初のSleepover(お友達の家に子供だけで泊まること)を経験することになったのです。